【シミュレーション検証】ガラスマスク基材の選び方 – ソーダライムと合成石英の性能差を数値で解明
半導体やフラットパネルディスプレイの製造現場では欠かせない「ガラスマスク」。その性能を左右する要素のひとつが、実は「基材となるガラスの種類」だということをご存じでしょうか?
当社が提供するガラスマスクは、「ソーダライムガラス」と「合成石英ガラス」の2種類を基材としてご用意しています。本記事では、それぞれの特性を実際のシミュレーション結果を交えてわかりやすくご紹介します。
【無料DL】『ガラスマスクの材質検討レポート(ソーダライム vs. 合成石英)』
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なぜ基材選びが重要なのか?
ガラスマスクには、膜材質が銀塩乳剤を用いる「エマルジョンガラスマスク」と、金属クロムを用いる「クロムガラスマスク」があります。クロムマスクは、耐久性と解像度の高さから、より高精度な用途で選ばれています。
このクロムマスクでは、基材としてどの種類のガラスを選ぶかによって、温度変化による寸法変動(=精度劣化)のリスクが変わります。特に露光工程や測定用途ではこの変動が致命的な問題になりかねません。
そこで代表的な基材であるソーダタイムガラスと合成石英ガラスについて紹介します。
ソーダライム vs. 合成石英
― 数値で見る物性の違い
特性 | ソーダライム | 合成石英 |
熱伝導率 (W/m·K) | 1.0 | 1.4 |
熱膨張係数 (×10⁻⁶) | 高め | 非常に低い |
この表からもわかるように、合成石英は熱の影響を受けにくく、精度を求める用途に向いています。一方、コスト面で有利なソーダライムも、用途によっては十分な性能を発揮します。
シミュレーション結果まとめ
熱の影響はどのくらい?
- 手で2分持った場合の温度上昇
ソーダライム:約2.73℃
合成石英:約1.93℃ - 熱膨張による伸び(持ち手エリア70mmにおける計算)
ソーダライム:約1.2μm
合成石英:約0.086μm - 常温へ戻る時間(シーズニング)
ソーダライム:24分
合成石英:15分
これらの結果から、寸法安定性を重視する場合には合成石英が有利であることが明確です。
結論:用途と環境に応じた賢い選択を
もちろん実際の現場では、手袋の使用や風の有無など、さまざまな要因が影響します。そのため、「どちらが正解」と一概には言えません。むしろ重要なのは、用途・環境・コストのバランスを考慮して基材を選ぶことです。
当社では、こうした判断に迷った際のご相談も随時受け付けております。ぜひ下記の資料をダウンロードいただき、詳細なシミュレーションデータをご確認ください。きっと、製品選定や運用方針のヒントになるはずです。
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