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スクリーン印刷 高精度化を加速する最新スクリーンマスク技術と素材選定ポイント

公開日:2025-07-28  更新日:2025-09-16

スクリーン印刷の最大のメリットは、設備コスト・ランニングコストの低さ、量産時の安定性にあります。その反面、フォトリソ法に比べて精度面には劣る部分があります。

そのデメリットをいかに吸収し高精度化させスクリーン印刷の可能性を広げていくために、スクリーンマスクにできることを解説していきます。

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スクリーンマスクの高精度化とは

版枠にスクリーンメッシュを張り、感光性樹脂を塗布し指定画像を露光により形成する~これがスクリーンマスクの製造過程となります。

この工程一つ一つの中にも精度=印刷品質を高めていく方法が隠れています。

版枠の選択・使用するメッシュの選択・スクリーンを版枠に貼る手法・乳剤の選択など、様々なプロセスの中で材料やより良い方策を選択することで、スクリーンマスク自体の高精度化すなわち位置精度やトータルピッチ精度、線幅精度等の更なる高みを目指すことができるのです。

1.版枠の種類

版枠はスクリーンマスク画像の形状精度を保つためのひとつのツールと言えます。

一般的には鋳物枠と中空パイプ枠があります。従来では鋳物枠のほうが丈夫で変形がしにくいと言われていました。しかし、パイプ形状の発展により、鋳物枠にも劣らない強度があり変形し辛い中空パイプ枠も提供できるようになりました。コスト的にも鋳物枠よりも安く、自由度が利くものと言えるでしょう。550X550mmサイズ以上になるとメリットが十分発揮できます。

版枠自体に強度があり変形しにくいものを使用すれば、スクリーンをしっかりしたテンション(高テンション)で貼ることができ、そのテンションを維持することができます。

それにより、位置精度やトータルピッチ精度に寄与することができます。

2.スクリーンの張り方(紗張り)

版枠にスクリーンメッシュを張る工程になります。

版枠にスクリーンメッシュを張る場合は、

・テンションを高めに張る ⇒ 印刷時に画像の位置ずれが少なく、版離れも良好となります

・テンションを均一に張る ⇒版枠面内を安定させることで、印刷精度を高めることができます

がポイントとなります。

テンションを高めにかつ均一に張りそのテンションを維持させることが、紗張りの技術とも言えそれを実現することで印刷時の位置精度やトータルピッチ精度の安定化につながります。

2-1.スクリーンの張り方~直貼り~

版枠にメインメッシュを直接張り込む方法を直貼りと呼びます。

直貼りは主にポリエステルやナイロンなどの化繊系メッシュや金属メッシュでも400メッシュ以下のものに向いている張り方となります。

2-2.スクリーンの張り方~コンビネーション~

コンビネーションは版枠に支持体となるポリエステルメッシュを張り、その支持体を介してメインメッシュを張る方法となります。

主に金属メッシュの400メッシュ以上や製網している線材の径が細いものを張る場合に用います。

(上記の金属メッシュになりますと、直貼りにすると破断しやすく製造コストも高くなってしまいます)

支持体メッシュを普通に紗張りしたコンビネーションでは、高テンション化ができず印刷時に寸法の安定性に欠けてしまうことがあります。当社ではコンビネーションの際の高テンション化を実現し、位置精度やトータルピッチ精度を向上させたスクリーンマスクも用意しております。

また、支持体部分に特殊加工を施すことにより、支持体部分の挙動を抑え込み、さらに位置精度・トータルピッチ精度や歪みの安定化を高めた支持体強化という加工も準備しています。

3.メインメッシュの選択

スクリーン印刷の高精度化・高精細化を図る上では、最重要な部分となるのがメインメッシュの選定です。

弊社ではポリエステルやナイロンなどの化繊系メッシュ、金属メッシュとして通常のSTスクリーンに加えSXスクリーン・NSTスクリーンと用途に応じそろえています。

SXスクリーンやNSTスクリーンは低伸度・高強度を特徴としているため、メッシュ自体の伸びやショットライフによるメッシュダメージが通常のものよりも少なく、当社のコンビネーション技術と併用することでより高度な位置精度やトータルピッチ精度の実現に寄与します。

その中でもSXスクリーンは高開口率を実現しているためインキ・ペーストの吐出効率が良く、また製網に使用する線材の直径も細いため、寸法精度のみならず印刷物の平滑性にも優れた面を発揮します。

金属メッシュはカレンダー加工(圧延ローラーにメッシュを通し交点部分をつぶす手法)をすることで、紗厚の半分程度までメッシュを薄くすることが可能ですので、薄膜印刷や印刷直進性を求められる印刷(MLCC・センサー/フィルター類)に効果を発揮します。

STスクリーン
SXスクリーン
カレンダーメッシュ

また、金属メッシュにNiめっきを施すことにより、交点のずれが発生しない、寸法精度UPをより向上させたメッシュをお使いいただくことも可能です。位置精度を求められる積層印刷を行う製品の印刷(MLCC・MLCI・半導体基板等)には有効な手法となります。

めっき厚は片側0.5μm~対応可能です。

4.乳剤の選択

乳剤の選択もスクリーン印刷の高精度化に欠かせないファクターとなります。

位置精度・トータルピッチ精度の維持はもちろんのこと、線幅精度や印刷パターンの直進性を左右する重要な要素となります。

弊社では用途に応じ様々な乳剤をラインナップし、ご要求に対応できるよう準備しております。

代表的な乳剤

乳剤名特徴解像性平滑性耐溶剤性耐摩耗性追従性推奨アイテム
NOA竹田東プロの標準乳剤です。
解像性・耐摩耗性・耐溶剤性 に優れています。
極性溶媒に対する耐久性も
高く、幅広い分野でご使用いただけます。
電子部品一般
ARKNOAをベースに乳剤硬度を柔らかくした乳剤です。
基板の角が当たることによる版膜割れを防止します。
セラミック部品 セラミック基板 太陽電池
ARK4解像性に優れ、パターン直進性が高い乳剤です。
細線パターンに向いています。
セラミック部品 セラミックパッケージ
ガラス基板
ARK55平滑性、耐摩耗性に優れた乳剤です。
薄膜印刷でのペーストのにじみを抑制します。
セラミック部品 セラミックパッケージ 光学フィルター

セラミック部品:チップ抵抗・MLCC・MLCI・バリスタ/サーミスタ・各種センサー/フィルター等

セラミック基板:LTCC・HTCC・LED基板・サーマル基板・パワーモジュール基板等

また、乳剤の平滑性を高める弊社独自の手法であるフラット加工を用いて、メッシュのうねりが版膜表面に出ないよう軽減させ、印刷直進性やにじみの抑制に起用することで、印刷性の高精度・高解像化に寄与しています。

通常の塗布

フラット加工

当社では、感光性乳剤に変わりNi箔で画像を形成するNEマスクという金属マスクも準備しております。
位置精度・トータルピッチ精度・線幅精度・印刷直進性に加え、版膜強度(耐溶剤性・耐摩耗性)が優れた製品も用意しております。

まとめ

用途や目的またその要求精度に応じて、スクリーンマスクのツール選びや製造手法を組み合わせていくことで印刷品質や高精度化・高精細化が大幅に向上します。印刷対象物の材質や形状、求められる精度、耐久性を考慮してスクリーンマスクの仕様を決めていくことが、スクリーン印刷には欠かせない要素となります。

竹田TOPROのスクリーンマスク製品について

スクリーンメッシュやスクリーン印刷の品質向上に関するさらに詳しい情報をお探しの方は、当社のスクリーンマスク製品資料をご活用ください。製品の特長や詳細な仕様をご確認いただけます。ぜひ、以下のリンクからダウンロードしてください。

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