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スクリーンマスクとは?設計技術者向け種類と選び方を解説

公開日:2024-10-04  更新日:2024-10-08

スクリーンマスクは、精密印刷において欠かせない重要なツールのひとつです。本記事では、スクリーンマスクの基本的な定義から、その種類や用途、選び方までを徹底解説します。

特に、メッシュサイズや乳剤の種類について詳しく説明し、それぞれの特性と利点を紹介します。さらに、実際の製造工程や産業への応用例を通じて、スクリーンマスクの選定プロセスを理解し、高精度な結果を得るための実践的な方法までお伝えします。

この記事の目次

1.スクリーンマスクとは

スクリーンマスクは、スクリーン印刷に使う原版です。特定のパターンやデザインを正確に転写(印刷)させてものづくりを行う製品は、わたしたちの身の周りに多く存在します。

シールやTシャツから電子部品や半導体製造など、実際に手を触れるものから製品に組み込まれているものまで存在しています。

スクリーンマスクはそのような特定のパターンやデザインを正確に転写するために使用される道具のひとつとなります。

よって、スクリーンマスクは、最終製品の品質に大きな影響を与える重要なツールであるといえます。

2.スクリーンマスクの構成

スクリーンマスクは枠、メッシュ、乳剤(または金属)で構成されています。

2-1. 枠(スクリーンフレーム)

メッシュを貼り込むために枠を使用します。枠は鋳物枠とパイプ枠に大別されます。枠は必要充分な強度があるものを使用しないとたわみやゆがみが発生し高品位な印刷ができなくなります。枠の選択は重要な要素のひとつとなります。

2-1-1. 鋳物枠

溶解させてアルミニウムを型(砂型やダイキャスト型)にいれて成形させ作製します。印刷機に合わせ定型化された枠サイズが一般的です。

2-1-2. パイプ枠

枠そのものの大きさや強度に応じて、枠を構成するアルミパイプ材を選択して作製します。

鋳物枠と異なり、印刷機にとりつく大きさであれば、自由なサイズに調整することが可能です。価格も鋳物枠よりも安価に作製することができます。

2-2.メッシュ

印刷厚みや印刷線幅、表面平滑性や解像性を決める最も重要な要素となります。

素材としては樹脂系と金属系のものが多く使われますが、電子部品・半導体製造の精密印刷においてはステンレスをメインとした金属系のものが主に使用されています。

メッシュ

2-2-1メッシュカウント

メッシュカウントは、スクリーンマスクの開口部の密度を表します。細かいメッシュカウント(数値が高いもの)は高精度な印刷に適しており、カウント数が高くなればなるほど高精細なパターンや薄膜印刷に適しています。

一方、粗いメッシュカウントは厚膜印刷に適しています。

2-1-2 厚み(紗厚)

メッシュカウントに応じて、使用できるワイヤーの径(線径)が決まってきます。ワイヤーの径が決まるとスクリーンの厚み(紗厚)が決まってきます。一般的にはスクリーンの厚みはワイヤーの2倍程度となります。

スクリーンの厚みは圧延ローラーを使用して目つぶし加工(カレンダー加工)を行うことにより、通常の厚みよりも薄くすることが可能です。

ノーマルスクリーン
カレンダー加工

2-3. 乳剤

乳剤は、スクリーンマスクの印刷面に塗布される感光性エマルジョンのことを指します。光によって硬化させることで、印刷パターンを形成します。

乳剤の種類には、耐水性・耐溶剤性・高解像性等用途や目的に適した特性を持つものが複数あります。各乳剤の特性を理解し、適切に選択することで、印刷の品質と効率を向上させることが可能となります。

3. スクリーンマスクの用途

3-1. 精密印刷の役割

スクリーンマスクは、非常に細かいパターンや高解像度のイメージを正確に再現するために重要な役割を果たします。

これにより、電子部品や高精度なデバイスの製造が可能になります。特に、微細な回路や高密度の接続パターンを印刷する際に、その性能が試されます。

スクリーンマスクの高い精度と均一性が、これを実現します。

3-2. 各産業での応用例

スクリーンマスクは、さまざまな産業で広く使われています。

電子機器の製造では、プリント基板やディスプレイパネル、電子部品の製造に使用されています。繊維産業では、布地に複雑なデザインをプリントするために使われます。また、自動車産業では、ダッシュボードのインジケーターやセンサーの製造にも使用されます。

これらの応用例は、スクリーンマスクの多用途性と重要性を示しています。スクリーンマスクは、多くの分野で製品の品質を支える重要な技術です。

4. スクリーンマスクの選び方

4-1. 選択時のポイント

スクリーンマスクを選ぶときは、以下のポイントを考えます。

まず、印刷するデザインの細かさに合わせたメッシュカウントを選びます。次に、使用するインク・ペーストや印刷環境に適した乳剤・乳剤厚みを選定します。また、耐久性やコストパフォーマンスも重要です。

これらを考慮することで、最適なスクリーンマスクを選べます。

4-2. 選定プロセスの詳細

スクリーンマスクの仕様選定を行うプロセスは以下の通りです。

まず、初回仕様で作製した製版にて試作を行い、印刷品質を確認します。印刷品質に変更を加える際にはさらに、量産に向けて調整し、最適なスクリーンマスクを確定していきます。

これらのステップを踏むことで、高品質・高精度な印刷が実現できます。

このように、スクリーンマスクの選定は慎重に行うことが重要です。各ステップをしっかり踏むことで、最適な結果が得られます。

5.まとめ

5-1. 主要ポイントの再確認

この記事では、スクリーンマスクの基本的な定義とその重要性、メッシュカウントや乳剤の種類、そして各産業での応用例や役割について解説しました。これらの知識を活用することで、最適なスクリーンマスクを選び、高品質な印刷結果を得ることができます。

5-2. 今後の展望と技術革新

スクリーンマスク技術は今後も進化を続け、新しい素材や製造技術の導入により、さらに高精度な印刷が可能になると考えています。

より細かいメッシュカウントや高解像度の乳剤が開発されることにより、電子機器や医療機器など、さらに高度な製品の製造が可能となることが期待できます。技術革新の動向を注視し、最新の情報を取り入れることで、競争力を維持することが重要です。

当社では、高精度なスクリーンマスクの製造と提供を行っております。お客様のニーズに合わせたメッシュ・乳剤・枠を提案し、高精度な印刷を実現します。詳細は当社のサービスページをご覧ください。以下のリンクからアクセスできます。

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