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スクリーン印刷のニジミ・カスレ原因と対策|製版仕様で解像性を向上させる方法 ~ニジミ編②~

公開日:2026-03-04

製版仕様で印刷解像性を向上させる方法について、前回はニジミやカスレが発生する要因や、版膜表面に平滑性や撥油性を施すことでニジミが改善した事例について説明しましたが、今回は静電気やパターン形状が要因になっている場合の対処方法について解説していきます。

前回記事

版膜表面に平滑性向上加工(フラット加工)や、撥液加工(BK処理)を行っても、ニジミが改善できないといった、具体的な例としては以下のようなものが代表例として挙げられます。

ラット加工・BK処理でも改善しないニジミの主な原因

1. 静電気によるニジミ・飛び跳ね

印刷時のスキージングにより静電気が発生し、パターンの周囲にとげが出るような滲み方とペーストが飛び散るような事例があります。

2. パターン形状

矩形パターンや額縁のような形状パターン(閉図形パターン)を、通常の製版で印刷を行うと、版離れが悪くニジミのが解消しないケースがあります。

上記のような形状のパターンが代表的です。

このようなパターンの場合、下記の様に印刷方向の内側にニジミが比較的多く発生する傾向が発現しやすい状況が見受けられます。

また、このようなパターンの周囲にペーストが飛び散るような場合もあります。

それでは具体的な対策を考えていきましょう。

ニジミ・飛び跳ねの具体的な対策方法

1.  静電気によるニジミ・飛び跳ね

起因が静電気によるものと断定できる場合は、製版のメッシュに帯電抑止の方策を取ることで改善するケースが多いです。

ポリエステルメッシュを使用している場合は、帯電抑制処理を施したメッシュを使用することで、製版の帯電を大幅に抑えることが可能となり、飛び跳ね等を抑制する手法となります。

ステンレスメッシュを使用している場合は、メッシュから枠に導電テープを貼ることで帯電抑止の効果が期待できます。

※どちらの場合も、枠から印刷機へのアースが必要となります。

2.  パターン形状に依存するもの

ニジミ対策として最も有効な方法は、印刷時の版離れを向上させることですが、その場合、クリアランスを多くとることで版離れを向上させることはできますが、その分製版への負担が大きくなりなり、印刷精度が悪くなることが予想されます。

少ないクリアランスで版離れを向上させるために製版に求められることは、テンションを高く(強く)張ることが端的な対策となります。

また、前回のコラムで説明したように、版膜表面に平滑性向上(フラット加工)や撥油性(BK処理)を施すことで改善が見込まれる場合も多くあります。

しかし、それらの処理を行ってもどうしても滲んでしまうケースがあります。

そのようなケースが多く見受けられるのが、前述しました閉図形パターンによるものです。

これはどのようなメカニズムによるものなのか、以下で詳しく解説していきます。

通常印刷時はスキージが通過した時点から版離れが行われ、そこから空気が流入するために版離れが容易になり、版膜へのペーストの周り込みも少なくなるため良好な印刷が可能となります。

しかし、閉図形となりますと、スキージが通過した時点で空気の流入ができずうまく版離れができない状況が発生してしまう場合があります。いわゆるスキージが製版を押し込んで吸盤の様に基板に密着させてしまう現象が発生してしまうのです。

このような現象が発生してしまうと、版離れはテンションの力とクリアランスのみに依存し、スキージが通過してしばらく経過した時点で急激に製版が基板から離れることになります。

そのような状況になることにより、製版にペーストが充填されている状態で基板へのコンタクト時間が長くなり、版膜への周り込みも多くなりにじみの発現や、急激に版離れが発生することでペーストの飛散が発生することとなります。

このような現象の緩和策として、段差製版という加工があります。

パターンのピッチや形状によりすべてが可能ということではありませんが、ペーストが吐出されない部分の乳剤を特殊形状にして空気の逃げ道を作ることで、版離れの向上が期待できます。

通常版

パターン開口部以外は乳剤がカバーしている(同じ厚みでフラット状態)

段差製版

パターン部は指定の乳剤厚み。0.1mm程度の土手を形成してそのほかの部分はペーストが出ない程度の厚みで段差を形成

このような製版の版膜状態にすることによって、版膜が基材に接している部分を少なくし、空気の流入を上げることによって版離れ性を向上させるわけです。

また、版膜への裏周りをしたペーストの付着は最大でも土手幅のみで済むという利点もあります。

パターンピッチに余裕があるものであれば対応が可能ですので、詳細についてはご相談ください。

印刷例

通常製版は全体的ににじみ傾向になっています。特に内側はスキージストロークに引き込まれるようにコーナー部に発生しているのが見受けられます。

それに対して、段差製版ではにじみが解消しているのが分かります。

諸条件がマッチングすることでここまでの改善効果を見込むことが可能です。

2回にわたり製版仕様で印刷解像性を向上させる方法(ニジミの改善)について解説してまいりましたが、パターンやペースト、印刷基材や印刷条件などの要素で状況は大きく異なってまいります。

我々竹田東京プロセスサービスには、長年にわたり培ってきた技術や知識、製版における様々なバリエーションで問題点を解決に導くことのできる引出しが多くあります。

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